看護師を目指す皆さんは3月の国家試験に向けてラストスパート中ですね。
その後はいよいよ社会人として歩き出します。
先輩看護師も楽しみな気持ちと「どんな子がくるのかな?」とちょっと不安になりながら、
皆さんを待っています。
新人看護師の皆さんは、きっと私たち以上にドキドキしながら、初めての職場に不安と期待を持っていることでしょう。
看護学生時代はもしかしたら、実習で怒られたことや、辛い経験をした人も多いかもしれません。「就職したら、怒られるの嫌だな。失敗したくないな。」と思っている人もいるのではと思います。
そんな人に私は声を大にして伝えたいです。
それは、「どんどん失敗してください。」ということ。
結論、失敗を恐れる気持ちは自然なことですが、その気持ちが強いと成長が止まってしまいます。
失敗経験は、後でキラキラした宝物になります! 間違いないです。
長くなりましたが、ここで自己紹介をさせてください。
私は看護師歴34年、50代のナースです。
急性期病院の脳外科病棟に勤務し、結婚、出産を経て外来に異動しました。
ママさんには働きやすい外来で、内科、消化器内科、外科、循環器内科、呼吸器内科、心臓血管外科、精神保健科などたくさんの看護を学ぶことができました。
その後主任になり、今は慢性期病院で管理の仕事をしています。
毎年かわいい新人さんをチームで大切に育ててきたので、私の経験を踏まえたお話は信頼していただいて大丈夫ですよ。
この記事を読んでいただければ、
失敗を恐れずチャレンジすること、看護を振り返り教訓として活かすことの重要性が理解でき、
あなたは素敵なナースとしてキャリアを磨いて行けることでしょう。
では、解説していきますね。
なぜ新人のうちに失敗すべきなのか
新人看護師は、職場に入ってから初めて侵襲性のある技術を提供します。
実習では患者さんの苦痛を伴う技術は提供しないため、就職してから本格的にシュミレーター(人形)を用いて看護技術の訓練を行います。
そのため、採血や注射など実際に患者さんに行う時は、緊張して手がブルブル震えることもあります。
緊張感はMAXなので、一発で血管を穿刺できることの方がまれなことです。
失敗は避けられないことですが、そこからしっかり学んでいくことが重要です。
失敗から学ぶべきこと
例えば採血で失敗した場合、もう一度血管を探し穿刺をすることになりますが、多くても初めは2回までのチャレンジになるでしょう。患者さんに苦痛を与えることは、できるだけ避けたいからです。
さらに失敗した後は先輩に代わってもらいます。
ここからが学びの機会になります。
先輩の技術を見て、質問して学ぶのです。
もしかしたら、あなたは次の処置が迫っていて見学する時間が惜しいかもしれません。
先輩に「技術を見せてください」というのも勇気がいることかもしれません。
けれど先輩の手技を見学し、選んだ血管を触らせてもらうなど、生きた技術を学ぶのには絶好のチャンスなのです。
また手技だけではなく、患者さんにどのような言葉をかけてコミュニケーションをとっているか、先輩は採血の機会を通して患者さんの状態を観察し、様々な情報収集をしているので、あらゆる行為が学びに繋がります。
更に先輩の姿から真摯に学ぶ姿勢は、信頼関係の構築にも繋がります。「この1年生はちゃんと学ぼうとしているな」と思ってもらえたなら、あなたの信頼度は増し、チーム力が強化されていくでしょう。
失敗を前向きに捉える方法
失敗すると、誰でも落ち込んでしまいますよね。
でも落ち込むのは数分にして、次にどのように活かしていくかを考えましょう。
先輩や同僚からフィードバックを求めるのも良いことです。
先ほどの採血の事例でいうと、先輩から穿刺のコツを聞くこともできますし、
もし指導者などにあなたの技術を見てもらえていたのなら、何が改善点としてあるのか、フィードバックを積極的にもらうのが良いでしょう。
穿刺の角度、血管の選び方、駆血帯の巻く強さ、血管が見えにくい人ならどのようにするとわかりやすいのかなど、多くのポイントがあるので、実際の体験を振り返りましょう。
そして改善計画を立ててみる。
採血は回数をこなすことが一番の上達方法です。より多くの機会を得られるように、採血の機会があれば積極的に実践させてもらいたいことを伝えて、自分の計画に組み込んでいきましょう。
失敗事例と学びの共有
私もたくさん失敗してきました。
要領が悪くて患者さんに怒られ、看護判断が未熟で、医師に注意を受けることもありました。
コミュニケーションが難しい人や逃げ出したくなる患者さんへの対応に困ることもありました。
そんな時こそチームみんなで共有して、その患者さんに合わせたケアを考えると光が見えてきます。
また関わりが困難な患者さんほど、心に強烈に残り自身の成長につながることが多いです。
失敗を恐れずにチャレンジするためのアドバイス
看護は毎日、驚くほど学びのあるお仕事です。
昨日の自分よりも今日の自分が成長していることを感じましょう。ほんの少しで良いのです。できたことを認めましょう。
新人のうちはチャレンジをたくさんすることで、自身のスキルを磨いていきましょう。チャレンジすることに尻込みをして、学ぶ機会を失うことは何のメリットもありません。3年目、5年目になり「この経験もしたことがなかったの?」と思われる方が自分にとっても周囲にとっても残念な結果になります。
うまくいかなかったことで落ち込みすぎて、這い上がれない時もあるかもしれません。しかし、私たちの仕事は専門職です。簡単にできることの方が少ないのです。どんな人も経験を積んで今があります。
どうしても辛くなったら、今はどこの病院でもメンタルヘルスサポートが充実しています。職場の外にメンターを作っておくことも効果的です。
・昨日の自分よりも、ちょっとだけ成長を感じること
・新人のうちにどんどんチャレンジ
まとめ
失敗は成長の証であり、避けるべきものではないことをお伝えしました。
一年目は本当に大変ですが、毎日学んだことを丁寧に振り返ることが大切です。
忙しすぎて立ち止まれない日もあるかもしれません。そんな時は5分だけでも今日の看護を振り返る、わからないこと、悩んだことを言葉にしてみてください。
そうすることで周りの人もあなたをサポートしてくれます。
毎日の経験は未来のあなたを作るのです。