新人看護師が夜勤で独り立ちするために知っておきたい心得と実践ポイント

  • URLをコピーしました!

夜勤の初日が近づいてくると、誰でも緊張や不安を感じるものです。
「何を準備しておけばいいんだろう?」「先輩に迷惑をかけないかな……」
そんな思いを抱えている新人看護師さんへ、今回は夜勤独り立ち前に知っておきたい心得や、報連相のポイント、病室を回る際の実践的なコツ、そして夜勤後の“振り返り”の重要性についてもお伝えします。


目次

夜勤前に押さえておきたい心得3つ

1. 「分からない」をそのままにしない

夜勤は病床数にもよりますが、大抵3〜4人のメンバーでその日の担当患者さんを分けることが多いでしょう。重症患者さんや手術後の患者さん、状態は落ち着いていても認知症などで頻回に見守る必要がある方など、バランスよく分け担当者を決めていきます。
日勤よりも担当人数は多くなるため多重課題が多くなり、判断を求められる場面も増えます。少ないスタッフで動いているため、判断に迷った場合に相談したくても躊躇してしまうことも多いかもしれません。

うさうさ

「聞くのが申し訳ない」と思いがちだけど、わからないまま進めるほうがリスクにつながるよ!
遠慮せず、「今この状況で何を優先すべきか?」を一緒に考えてもらおう!

先輩ナース

早めに相談されると助かります!どんなに忙しくても、一緒に考えるから安心してね!

2. 夜勤は“少人数チーム”で乗り切るもの

日勤と違って夜勤は看護師もスタッフも少人数。看護師のほかに、看護助手やケアワーカーまたは介護福祉士などと夜勤を組む施設も多数あります。急性期病院なら看護師3名と看護助手1名や、看護師のみの3人夜勤が多いです。慢性期病院なら、看護師2名とケアワーカー2名のパターンなども。そのため、お互いの動きを把握し合いながら、協力して業務を進めることが求められます。「1人で全部やらなきゃ!」と思わなくても大丈夫。困ったときは遠慮なく声をかけましょう。

うさうさ

日頃からコミュニケーションを大事にするのがコツ。お互いにヘルプを求めやすい雰囲気や信頼関係を作っておこう!

先輩ナース

「お疲れ様です」「よろしくお願いします」「助かりました」この3つは最強のコミュニケーション。誰でも今日からできて、信頼をぐっと深められるよ。まずは声に出してみて。

3. ルーティン+イレギュラー対応が求められる

夜勤は患者さんの安全を守りながらも、効率的にケアを実施することが肝になります。配薬や体位交換などのルーティン業務のほか、ナースコールが集中したり、状態の急変など突発的な対応もあります。優先順位を意識しながら、焦らず落ち着いて行動しましょう。
例えば、「食後や就寝前はトイレ介助のナースコールが頻回になるな」など判断力がついてくると、多重課題にも余裕をもって対応できるようになります。とはいえ、判断力、アセスメント力を高めるには何よりも経験し次につなげることが一番です。経験したことで満足するのではなく、振り返りを丁寧に先輩と行うことで、格段に自分の糧となるでしょう。

うさうさ

夜勤で初めて経験し、できたこと、学んだことを「教訓」として言葉に出してみよう!言語化することで、活きた経験になるよ!


先輩に報告・相談するときのポイント

夜勤中は自分だけでなく、先輩も分刻みで動いています。特に、夕食前から消灯までは、食事前後のケアや与薬、トイレ介助などの生活援助のほか、検温、点滴確認など時間に追われます。手術が夜勤帯までかかって、迎えに行かなくてはならないことも。多忙の中で先輩に報告する場合は、次のようなポイントをおさえておくと良いでしょう。

主語と結論から伝える

夜勤は特に時間が限られているので、「○○さんのことで相談があります」「○時に検温したら熱が38.2℃ありました」など、結論から先に伝えると先輩も状況を把握しやすくなります
結論がなく、だらだらと話すことは相手の時間をうばうことになります。「えっと…さっき○○さんのところに行ったら、ちょっと熱があって…で、そのあと○○があって…」など、聞いていて何を伝えたいのかわからない報告は、とても困るので、まず結論ファーストを意識しましょう。

バイタルや観察項目はメモをもとに正確に! 数値を伝え根拠も示す

情報の伝達ミスを防ぐため、バイタルや気づいたことは必ずメモを取っておきましょう。「なんとなく覚えている」ではなく、「記録に基づいて伝える」ことで信頼も高まります。事実に基づいた正確な報告をすることで、先輩も判断に必要な情報を得ることができ、指示を出しやすくなります。また、数値で説明することは判断材料として非常に有効です。例えば「頻回な排便」ではなく、「1時間に5回の水様便」と伝えた方が、より事実が伝わりますよね。この数値で説明することは、医師への報告にも非常に効果的で、「できるナース」の第一歩といえます。

判断を求めるときは選択肢をもって

具体的な症状や状況を報告し、自分の判断も伝えるよう意識していきましょう。「○○さんの便が出ていないのですが、座薬を使っていいですか?」など、ある程度自分なりに考えた上で相談する姿勢が大切です。相手にすべて答えを求めるのでは、自分も成長しません。自立への一歩として、受け身になりすぎず主体性をもっていきましょう。


夜間の病室を回るときの実践的コツ

夜間は静かに眠れる環境を提供することに努めます。夜は少しの物音も響きやすく、ワゴンを押す音、廊下を歩く足音など、思った以上に響くもの。ナースステーション内の小さな話し声も、ステーション近くの病室へは意外と聞こえていたりします。自分たちが騒音にならないように、細心の注意を払いましょう。

点灯は最小限に、音も静かに

夜間は患者さんの安眠を妨げないようにすることが基本。懐中電灯や小さなスタンドライトを使い、物音やドアの開閉音も最小限に抑えるよう心がけましょう。状態を観察するときは、ライトの光が患者さんに直接あたらないように注意して、患者さんの呼吸音、体動、など聴覚、視覚、嗅覚など五感を研ぎ澄ませて観察しましょう。起こさないようにと考えすぎて、必要な観察が抜けてしまっては意味がありません。

異変の兆しを見逃さない観察力

ただ「見に行く」のではなく、「変わりはないか?」の視点をもちましょう。呼吸状態、顔色、寝汗、体位などを観察する癖をつけると、異変への気づきが早くなります。いつもと違うなと感じたら、バイタルサインをチェックするとともに、聴診、打診などフィジカルアセスメントを速やかに行いましょう。

ルートやドレーンの確認は丁寧に

ルートのゆるみや固定のずれはトラブルのもとです。夜間は特に巡回のタイミングで、ルートやドレーンの状態、排液量を確認しましょう。寝返りなどで固定がゆるんだり、管が折れたりする場合もあるため注意が必要です。排液量が少ない場合は刺入部までたどって確認し、異常があればすぐに報告しましょう。


夜勤明けの5〜10分でできる「振り返り」で成長につなげる

夜勤が終わると、疲労もピーク。早く帰って眠りたい気持ちもわかります。
でも、ほんの5〜10分、先輩と一緒に短い「振り返りタイム」を取ることで、経験が“学び”へと変わります。

振り返りで確認したい3つのこと:

  • うまくいったこと:どんな場面で落ち着いて対応できたか
  • 困ったこと・悩んだこと:どう対処したか、次回はどうするか
  • 気づいたこと:自分の中で得られた学びや課題

この時間は「反省会」ではなく、「自分を成長させる時間」。先輩からのフィードバックも得られやすく、前向きに夜勤の経験を積み重ねることができます。


うさうさ

振り返ることが、自分の「教訓」になって次につながるよ!

最後に:夜勤は“経験の宝庫”。自信を育てる場でもある

夜勤はたしかに大変。でも、だからこそ成長できる場でもあります。小さな成功体験や、先輩に「助かったよ」と言ってもらえる経験は、何よりの自信につながります。

怖がらず、でも油断せず、1つずつ丁寧に積み上げていきましょう。
夜勤明けの朝に「自分、やりきった!」と思える日が、きっとすぐに来ます。

一つひとつの経験を大切にして、できるナースに近づいていきましょう!

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

北海道のナースとして30年勤務。現在はプラチナナースや中途採用看護師を支えています。看護介護は面白いけど大変なこともたくさんありますね。ナースの皆さんが元気に働けるように、お役立ち情報を発信します。
癒しはガーデニング🎵こちらも30年継続中。寒冷地のおすすめ植物や育て方の情報をお伝えします。

目次