高齢になると、高血圧や糖尿病(高血糖)、高脂血症など三高の病気になりやすかったり、持病があってお薬を飲んでいる方も多いですよね。
慢性的な病気はお薬をきちんと飲んでコントロールしていくことがとても重要になるのですが、認知症になるとその管理が難しくなってきます。
私の母もそうでした。
以前は自身の飲んでいる薬の数や効能をしっかり理解して、飲むことができていましたが、急に薬の数が合わなくなってきたのです💦
そのうち血圧も高くなってしまい、手助けが必要になりましたがこれがなかなか大変でした。
様々な方法で試行錯誤し、なんとか飲み忘れを防ぐことに成功したので、私なりのノウハウをお伝えし同じような悩みをお持ちの方のヒントになればと思います。
薬の飲み忘れ発覚!! 「あれ?薬が余っている….?」
もともとしっかり薬の管理をできていた母でしたが、2 年前から物忘れがみられるようになり、薬の残数が合わなくなっていました。
「多少の飲み忘れは誰しもあるよね〜。85歳だしね。」と今までが出来すぎていたんだよなと考え、薬の整理ボックスを購入し、朝、昼、晩とセットして飲んでもらうことにしました。
薬の管理:セットがうまくできない
最初に購入したのは、置き型の薬整理ボックスでした。しかし、長年薬袋から取り出して飲んでいた母は、朝、昼、夕と分けてセットすること自体に混乱したようで、うまくセットができず、飲み忘れ防止の目的を果たすことができませんでした。
薬の管理:壁掛け型のおくすりカレンダー 家族が代わりにセット
次に購入したのはおくすりカレンダーでした。カレンダーの良い点は、壁にかけていつでも見えるところに置ける、誰が見てもわかりやすいというメリットがあります。
カレンダーに母がセットすることは、やはり無理でしたので、私が1週間分セットすることにしました。今日が何曜日かを確認し、朝は「あさ」と書いているところから薬を取り出すことはできました。これで一安心と思いました。はじめは….
薬の管理はしてるのに 「血圧の値が高い!なぜ?」
それから少しして、自宅血圧が180台を超える日がみられるようになりました😨
薬は飲めている(カレンダーから取り出されている)のにどうしたのかな?
薬が効かなくなってきたのかな?と考えていると、母のエプロンのポケットから朝の薬(血圧の薬は朝のみ)が出てきました😱
母の行動を再びよく見てみると、朝食のあと薬をカレンダーから取り出すまではできているのですが、「薬は食後30分経ってから飲まないと、胃に悪いでしょ」というマイルールのもと、薬をエプロンのポケットに一旦入れるという行動をとっていることがわかりました。
ポケットに入れてしまったら、一巻の終わり!😱
薬の存在は母の記憶から忘れ去られてしまうのです。
翌日も同じ行動をとっていました。挙げ句の果てには、飲まずにゴミ箱に捨ててあることも頻繁にみられるようになりました。飲み忘れたことの証拠隠滅のため捨てていた!!と思われます。
これでは血圧が高いのも当然のことです。このような行動が積み重なり、認知症の症状が少しづつ進んでいるのだと、私自身やっと覚悟するようになりました。
薬の管理:時間を変えてみる
毎朝しっかり飲み終わるところまで、見届けることができればよかったのですが、私は仕事に出かける時間が早いため毎朝は不可能でした。そのため、朝の薬を夕食後に変更してみることにしました。
夕食後なら、しっかり見届けることができます。
薬の管理:やっと確実に内服でき血圧が安定
夕食後に変更することで、見事に血圧は安定しました。やはり朝はかなりの確率で飲み忘れていたのだと思います。
同居していても薬をきちんと飲めていなかったことに気づくには時間がかかりました。薬がポケットから出てきたり、捨てられていたのを発見するまでは、本当にきちんと飲んでいると思いこんでいました。
薬の管理はライフスタイルに合わせた用法が重要
病院では、朝が一番薬を飲み忘れないと考えられており、大事な薬は朝にまとめて処方することが多いです。私は看護師ですが、これまでの勤務していた大半の病棟で、例外なく朝に重要な薬を処方していました。
しかし、今回の経験で、その人のライフスタイルや家族のサポートできる時間に合わせて、薬の内服方法を考える重要性を感じました。
かかりつけの医師に事情を伝え、その後は朝から夕に処方を変更してもらうようにしました。
余談:便利グッズもあります
最近は、薬の時間になったら自動的にお薬が出て、知らせてくれる機器もあるようです。とても高価ですが、独居の方などは活用してみるのも良いのかもしれません。
まとめ
今回、私は看護師でありながら、血圧不安定=薬の飲み忘れが原因という考えをすぐには持てませんでした。
自分の肉親のこととなると、看護師であっても冷静に判断できないものだな〜とも思います。
認知症の人の服薬管理は、
- その人の行動をよく観察する
- 何ができて、何につまづいているのかをよく見て考える
- ときには医療者といっしょに考える(私は一人で考えてしまったから遠回りだったかも)
以上が大切なことと思いました。
高齢者のお薬管理は病気をコントロールする上で本当に重要です。
今回はちょっとした工夫で、お薬の飲み忘れを防ぐことができた体験をしました。
お薬管理でお困りの方は、参考にしていただけたら上手くいくかもしれません。
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