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北海道で30年、宿根草を育ててきました。「宿根草って、植えれば毎年勝手に咲いてくれるんでしょ?」とよく聞かれます。だいたい合っているのですが、正直、何度も枯らしました。
カタログには「耐寒性◎」「ペレニアル(宿根性)」と書いてあるのに、北海道の冬を越せない品種がたくさんあります。秋に植えた苗が春に出てこない。2年目までは小さく残っていたのに3年目に消える。発芽したと喜んだら、いつの間にか姿が見えなくなっている――。
30年でいくつ失敗してきたか、もう正確には数えられません。けれど、失敗を共有することで、これから宿根草を育てる方が同じ思いをせずに済むかもしれない。そう思って、この記事をまとめました。
今回ご紹介するのは、私の庭で実際に枯れた・消えた6種の宿根草と、その代わりにおすすめできる「同じ雰囲気で育つ品種」です。最後には番外編として、過去に何度か失敗したエキナセアに再挑戦している話もご紹介します。
①スティパ エンジェルヘアー|2株植えて、どちらも越冬できなかった

細い穂が天使の髪のように風に揺れる、ナチュラルガーデンの主役級グラス。憧れて2株植えました。
1年目はそれなりに育ち、夏には風に揺れる涼しげな姿を楽しめました。けれど、1回目の冬で1株が消え、もう1株は残ったものの、翌々年には2株目も越冬できませんでした。
原因はおそらく、北海道の雪解け期の凍結融解。スティパ系は地中海原産が多く、湿った寒さに弱い品種が混じります。エンジェルヘアー(Stipa tenuissima)は耐寒ゾーン7〜10と紹介されることがあり、北海道(ゾーン5〜6相当)ではぎりぎりラインです。

同じ「細い葉のコンパクトなグラス」のジャンルなら、フェスツカ グラウカが断然おすすめです。青緑色の球状にまとまる姿が美しく、北海道での耐寒性も実証済み。「グラス10選」でもご紹介している我が家の安定株です。
②ミューレンベルギア カピラリス|ピンクの霞は、儚い夢に終わった

秋になるとピンクの霞のような穂が立ち上がる、ガーデナーなら誰もが憧れるグラス。Instagramや海外のガーデン雑誌で見るたびに「いつかうちの庭にも」と思っていました。
結果は1度の冬で消滅。穂を見ることなく、翌春には茶色く枯れた姿。もしかしたら新芽が出るかなとしばらく様子をみていましたが、やはり枯れ姿だったようです。
ミューレンベルギア カピラリスは耐寒ゾーン6〜10と表記されることが多く、北海道では地植えでの越冬は無理でした。寒冷地でどうしても育てたい場合は、鉢植えで冬に室内に取り込む方法しかありません。
「秋に立ち上がる穂が美しいグラス」のジャンルでは、カラマグロスティス ブラキトリカが北海道で安定して育ってくれます。直立する穂が秋の光に透ける姿は、ミューレンベルギアの代替どころか、この子はこの子で唯一無二の魅力。耐寒ゾーン4まで対応するタフな宿根グラスです。
③ユーパトリウム チョコラータ|春の発芽が、来なかった
銅色の葉に小さな白花をたくさん咲かせる、シックなカラーリーフ系の宿根草。秋に植えました。
けれど、春になっても発芽が来ませんでした。地上部は枯れて当たり前なので、最初は「まだ早いのかな」と待っていたのですが、5月、6月、7月になっても出てこない。完全に死んでいました。
原因は2つ考えられます。1つは植え時のタイミング。秋に植えると、北海道では根が張る前に地温が下がってしまい、活着できないまま冬を迎える危険があります。ユーパトリウム・チョコラータは−20℃まで耐えると言われていますがわが家の土質、植え場所などが合わなかったのかもしれません。
「銅葉〜シックな濃いブラウン」のジャンルでは、ヒューケラ ブラックジェイドが圧倒的に育てやすいです。葉色がチョコラータより濃く、寒冷地で安定して越冬し、株もしっかり育ちます。

④スーパーアリッサム スノー|3年目に、静かに消えた
真っ白な小花がカーペット状に広がる宿根アリッサム。「四季咲き・耐寒性◎」のラベルを信じて植えました。
1年目から育ちが今ひとつで大きくなりませんでした。2年目は一輪咲いただけで、3年目には完全に消えてしまった。「年々充実するはずの宿根草」が、年々消耗していく。じわじわ消える系の失敗です。
原因は耐寒性のラベル表記が、北海道基準では弱かったということに尽きます。「耐寒性◎」と書いてあっても、それが本州基準なのか、北海道のような寒冷地でも通用するのか、ラベルだけではわからないことが多いです。
「白いマット状に広がる宿根草」のジャンルでは、イベリス ブライダルブーケが代替の本命です。マット状に広がる白花は圧倒的な美しさです。耐寒温度マイナス15度ほどと寒さに強く、私の庭でも雪の下で問題なく越冬してくれています。春先に純白の花が一斉に咲く姿は、アリッサム以上の見応えがあります。

⑤スカビオサ スノーメイデン|「ペレニアル表記」を信じた失敗

ピンクッション形の白花が可憐なスカビオサ。「ペレニアル(宿根性)」とタグに書かれていたので、安心して2株植えました。
結果は、1株は1年で消え、もう1株も2年目で消滅。スカビオサ属には宿根性の品種と一年草扱いの品種があり、さらに同じ宿根性でも耐寒性が品種でかなり違います。スノーメイデンは、残念ながら北海道では耐えきれませんでした。
「ペレニアル」と書いてあっても、どこの気候を基準にしたペレニアルなのかを確認しないと、寒冷地ではあっけなく消えてしまいます。
「丸いポンポンの花が可愛い宿根草」を狙うなら、アルメリア ホワイトがおすすめ。草丈はスカビオサより低めですが、ポンポンと丸い花姿が似ていて、しかも耐寒性が抜群。北海道の岩場・乾燥地でも育つタフネスがあります。ロックガーデンや小さな寄せ植えにも使いやすいサイズ感です。
⑥PW バーベナ メテオールシャワー|秋植え3株、すべて越冬できず
プルーヴンウィナーズ(PW)ブランドの宿根性バーベナ。「流れ星(メテオールシャワー)」という名前の通り、紫の小花が流れるように咲く姿に惚れて、秋に3株まとめて植えました。
結果は、春に3株すべて姿を消すという全滅劇。1株でも残ってくれれば、と期待していたのですが、誰も帰ってきませんでした。
原因は2つの組み合わせ。秋植えのタイミング(根が張る前に冬到来)と、北海道の耐寒性に合わなかったこと。バーベナ属は宿根性と一年草扱いの境界が曖昧で、北海道では一年草扱いになる品種が多いのが現実です。
「紫の花穂を楽しみたい」なら、サルビア ネモローサが圧倒的におすすめです。バーベナと違い北海道で確実に越冬し、初夏から秋まで切り戻しで2回咲いてくれる優等生。「GW宿根草10選」でもおすすめしている我が家のお気に入りです。

真犯人かもしれない話|春の「掘り上げ事故」仮説
ここまで6つの失敗事例をご紹介しましたが、実は最近「もしかして真犯人はこれかも」と思い始めた仮説があります。
それは、春に発芽が来る前に、私自身が誤って苗を掘り上げてしまった可能性です。
宿根草は冬の間、地上部が完全に枯れて姿を消します。春先、雪解け後にまだ発芽が来ていない時期は、その場所が「空いている」ように見えてしまうのです。新しい苗を植えるとき、雑草を抜くとき、土を掘り返すとき――気づかないうちに、休眠中の宿根草を傷つけたり掘り上げたりしている可能性は、けっこう高いと思います。
先日、近所の園芸店で、別のお客様の女性がスタッフの方に「エキナセアって、私何度植えても育たないのよね」と話しているのを耳にしました。私は遠くで聞きながら、「もしかして、その方も春に掘り上げているのかも」と思ったんです。
というのも、エキナセアは私自身も失敗したことがある品種だから。耐寒性は十分あるはずなのに、なぜか消える。これはもう、私が春先に掘ってしまっていたとしか思えないのです。
- 植えた場所にラベルかマーカーを刺しておく(風で飛ばないように地中深めに)
- 株元に小さな石やレンガを置く(目印になる&掘削防止)
- 春の作業は、発芽が始まってからにする(5月以降は迷わず動ける)
これだけで、本当はちゃんと育つはずだった宿根草を救えるかもしれません。「うちの庭、宿根草が定着しない」とお悩みの方は、ぜひ一度疑ってみてください。
番外編|エキナセアは諦めない・再挑戦で100センチ超えの立派な姿に

掘り上げ事故仮説に気づいてから、私はエキナセアにもう一度挑戦することにしました。2022年に一種類育ててからは順調に種類も増やしています。
- エキナセア グリーンジュエル(コンパクトな緑〜白の花)
- エキナセア プルプレア アルバ(白花の定番)
- エキナセア オレンジスパイダー(オレンジの細弁が個性的)

植えた場所にはしっかりラベルを刺し、春先は絶対にその場所を掘らないことを自分に誓いました。今のところ、3品種とも順調に成長しています。4月、今年も順調にオレンジスパイダーとグリーンジュエルは葉っぱがワサッと見えてきました。プルプレアアルバは昨年秋に北側に移動したので、今やっと小さな新葉が確認できているところです。
失敗から学んで、もう一度挑戦する。これがガーデニングの醍醐味でもあるな、と最近しみじみ思っています。
まとめ|失敗を恐れず、寒冷地に合う宿根草を選ぼう

30年で何度も失敗してきましたが、その積み重ねがあるからこそ、今の「年々充実する庭」があると思っています。最後に、失敗から学んだ3つの教訓をまとめます。
- 「耐寒性」のラベル表記を鵜呑みにしない。本州基準のペレニアルは、北海道では一年草扱いになる品種が多い
- 春に発芽するまで、その場所を掘らない。ラベルや石で目印をつけて、自分自身の作業による事故を防ぐ
- 同じ場所で2回失敗したら、品種を変える勇気を持つ。代替候補を知っておけば、似た雰囲気の庭を諦めずに作れる
せっかく買ったのに、咲かなかったときは残念でガックリ落ち込みます。でもトライアンドエラーを繰り返すことで、自分の庭の特徴や草花との向き合い方が確実にわかってくる。決して無駄ではないと私は信じています。北海道や寒冷地の庭づくりは、本州とは違う独自の判断が必要。「うちの庭で生き残った株が、本物の主役」くらいの気持ちで、ゆっくり育てていきたいですね。
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