慢性期病院で働く中で、私は少しずつ自分の気持ちの変化に気づくようになりました。
現場と組織の間にある違和感。
それでも、自分の部署を守ることだけは続けてきました。
けれどあるとき、
心の中で文句を言いながら働いている自分に気づいたのです。
「このままここで働き続けるのだろうか」
そんな問いが、静かに心の中に残るようになりました。
今回は、私が退職という選択を考えるようになった理由について書きたいと思います。
組織との価値観のズレ
慢性期病院で働くうちに、私は次第に組織との価値観の違いを強く意識するようになっていきました。
組織の方針と、現場で起きていることの間には、大きな隔たりがあるように感じていました。
もちろん、何も言わずにいたわけではありません。
看護部に対して、人材育成のあり方や組織風土について問題提起をしてきました。
現場で何が起きているのか、実際に病棟を見に来てほしいということも伝えてきました。自分の病棟だけでなく、病院全体を担当副部長が見に行くことを徹底する。実際に病棟をラウンドすると、病棟の空気感はすぐに感じ取れます。
しかし、副部長のラウンドは継続されず、現場の状況を十分に理解してもらえているとは感じられませんでした。
組織が掲げる目標と、現場で起きている現実。
その間にある距離は、簡単には埋まらないように思えました。
同じような違和感を抱いている師長や主任も、少なからずいました。
自分の部署だけを守ることへの虚しさ
それでも私は、自分の病棟を守ることには全力を尽くしてきました。
スタッフ一人ひとりと向き合い、病棟の雰囲気を整え、患者さんに向き合うチームを作ること。
それが管理職としての自分の役割だと思っていたからです。
しかし次第に、こんな思いが心に浮かぶようになりました。
自分の部署だけを守っていても、
組織全体の看護の質が良くなるわけではないのではないか。
そう思ったとき、どこか虚しさを感じるようになっていきました。
心の中で文句を言いながら働く自分
そしてあるとき、気づいたのです。
私は、心の中で文句を言いながら働いている。
もちろん表には出していません。
それでも、組織のあり方に対する不満を抱えたまま働いている自分がいました。
そして私は、そんな自分の姿が嫌になっていったのです。
もうここで頑張らなくてもいいのではないか
そしてあるとき、ふと思いました。
「もう、ここで頑張らなくてもいいのではないか」
その瞬間、
張りつめていた気持ちが、少しほどけたような気がしました。
私は、自分の中で静かに決めていました。
この組織を離れて、自分が前向きに働ける場所を探してみようと。
新人の頃から34年間、私はこの法人で働き育ててもらいました。
そのことへの感謝の気持ちは、今も変わりません。
最後が、自分の理想通りの環境だったとは言えないかもしれません。
それでも、自分なりにやれることはやってきたという思いがあります。
だからこそ、これからは
本当に自分が前向きになれる働き方をしたい。
看護の現場を離れたとしても、
医療や看護に関わる形で社会に貢献できることは、きっとある。
組織の中で働くことだけが、すべてではない。
そんなことを、今は考えています。
管理職として働いた時間を振り返って
管理職として働いた時間は、決して楽なものではありませんでした。
それでも、この経験があったからこそ見えたことがあります。
このシリーズは、私自身が歩いてきた時間を振り返りながら書いた記録でもあります。
もしこの記事が、同じように悩みながら働いている誰かにとって、
自分の働き方やこれからの生き方を考えるきっかけになれば嬉しく思います。
