看護師が持つべきポータブルスキルとは?

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看護師として働く中で、専門的な知識や技術を磨くことはとても重要ですね。

知識や技術のほかに、もう一つ重要なスキルがあることをご存知でしょうか?

それは、「ポータブルスキル」です。

看護師としての経験を積んでいくと、どの職種でも役立つ「ポータブルスキル」を身につけることができます。ポータブルスキルがあれば、看護の質の向上に役立つことはもちろん、看護以外の仕事にキャリアチェンジする時の武器となります。


目次

幅広く活かせるスキルを身につけよう

ポータブルスキルって、どんなスキルなのかな?

具体的なポータブルスキルと、その活用方法について解説していくね!


1. コミュニケーションスキル

患者対応から職場の人間関係まで活かせる
看護師は、患者・家族・医師・多職種スタッフと連携しながら業務を行うため、高いコミュニケーションスキルが求められます。患者さんの一番身近な存在として思いを聞き、元々の生活背景や家族の状況などをどんどん情報収集し、他職種と共有していきます。受け持ち看護師は医療チームの中で真ん中に立って、患者さんの目指すゴールへと先導していく立場です。日頃から、その役割をしっかりと果たしていくことで、コミュニケーションスキルは磨かれていきます。

 実は看護師の多くの人が自称「人見知り」です。これは私の経験に基づく個人的データですが、だいたい9割の人が自己紹介で人見知りと言います。ですが、看護師としてユニフォームを着ると、人とコミュニケーションをとることが仕事なので避けては通れません。毎日実践することで、苦手なこともできるようになるのです。

コミュニケーションスキルはどの職種でも重要視され、看護以外の特に営業職や接客業、教育分野などで役に立つことができます。

コミュニケーションスキルの活用
  • 傾聴力を活かし、顧客対応の質を向上
  • 状況に応じた説明力が、教育やカウンセリング職で強みになる
  • チームワークを円滑にし、組織のパフォーマンス向上に貢献

2. 問題解決力

迅速な判断と対応力を鍛える
医療現場では、常に予測不能な状況が発生します。患者さんのケアの優先順位と1日の行動計画を頭の中で考え、「いざベッドサイドへ!」と向かったのに、患者さんの状態が「何か違う?顔色が悪い・・・」なんて新たな問題が起こることは日常茶飯事ですね。すぐさまバイタルサインを測定し、状態をアセスメントし医師とリーダーに報告する、指示が出るまで別の患者さんへの対応、点滴や処置の優先度を再考しながら行動。指示が出たら速やかに、遂行というように、判断と対応の迅速さが身についていきます

この能力は危機管理やマネジメント業務に大いに役立ちます。

問題解決力の活用
  • 臨機応変な対応力が、管理職やプロジェクトマネージャーに適用可能
  • 状況分析力を活かし、コンサルティング業務で活躍
  • トラブルシューティングの経験が、顧客対応やクレーム処理に役立つ

3. マルチタスク能力

忙しい現場で鍛えた優れたタスク管理力
看護師は多くの業務を同時進行で行います。優先順位を判断しながら効率的に業務を遂行するスキルが身につきます。問題解決力の項でも述べましたが、患者が急変したり緊急入院を受け入れたりなど、1日の中で行うべき処置やケアが増える場面がたくさんあります。臨機応変さが常に求められるのが看護師です。このような毎日を送っていると、自然とマルチタスクをこなすスキルが身につきます。

マルチタスク能力の活用
  • 事務職やプロジェクト管理でのタスク管理に応用可能
  • 飲食業やサービス業での素早い対応力として活かせる
  • フリーランスや起業時の自己管理能力としても重要

4. ストレス耐性とメンタルケア

ハードな環境で培った精神的強さ
医療現場は、精神的・身体的に過酷な環境です。人と直接接するサービス業であり、最近は患者さんや家族の求める医療の質も高くなってきています。あまりに要求が厳しいものはペイシェントハラスメント(ペイハラ)という行為であり、重大な社会問題にもなっています。他にも患者さんを看取る行為やご家族に寄り添う行為は貴重な経験でもありますが、精神的にはかなりエネルギーのかかるケアの一つです。このような過酷な環境の中では、ストレス耐性やメンタルケアのスキルが鍛えられます。

ストレス耐性能力の活用
  • コールセンターや接客業でのクレーム対応能力
  • 人事やメンタルヘルスケアの分野での活用
  • 自己管理能力を高め、フリーランスや起業にも役立つ

5. 教育・指導スキル

後輩指導や患者教育で培ったスキルを転職に活かす
看護師は新人教育や患者さんへの健康指導を日々行なっています。2年目にもなると、先輩としてプリセプター1の役割がつく施設も多いです。患者さんやご家族への退院に向けての生活指導などは、1年目の看護師でも先輩から学びながら行います。また3年目以上になると業務リーダーやチームリーダーを行う、委員会活動などに参加するなど役割がつくため、教育・指導者として活躍する場面が増えていきます。教育スキルも他の分野で活かすことができます。

1プリセプター:経験を積んだ先輩看護師が新人看護師を一定期間、1対1で指導する制度のこと。業務や技術の指導だけでなくメンターとしての役割も大きい

マルチタスク能力の活用
  • 研修講師や企業内教育担当者として活躍
  • コーチングやカウンセリング業務に応用
  • 学校や専門学校の講師としての道も開ける

まとめ

看護師のポータブルスキルはまだまだありますが、今回は5つに絞って紹介しました。

看護師のポータブルスキル
  • コミュニケーション能力
  • 問題解決力
  • マルチタスク能力
  • ストレス耐性
  • 教育スキル

看護師としての経験は、医療現場だけでなく、さまざまな分野で活かせるポータブルスキルの宝庫です。

このスキルを活かすことで、キャリアの選択肢を広げ、より充実した仕事に挑戦できるでしょう。

「看護師の仕事は病院だけ」という考えは過去のものになりつつあります。あなたが培ったスキルは、医療業界以外でも高く評価されるものです。

今の仕事に活かすのも、転職の武器にするのも自由。自分の可能性を広げる第一歩として、ポータブルスキルを意識してみてください。

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この記事を書いた人

北海道のナースとして30年勤務。現在はプラチナナースや中途採用看護師を支えています。看護介護は面白いけど大変なこともたくさんありますね。ナースの皆さんが元気に働けるように、お役立ち情報を発信します。
癒しはガーデニング🎵こちらも30年継続中。寒冷地のおすすめ植物や育て方の情報をお伝えします。

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