「師長、ちょっとお時間よろしいでしょうか?」
どこの職場でも、こんな光景は日常的にみられます。
看護スタッフとの面談は、彼女たちの成長を促し、職場環境を改善するために不可欠なものです。
しかし、面談って本当に難しいですよね。

「忙しいのに、また面談か・・・」
正直そう思う方もいるかもしれません。
特に、相手がベテラン看護師だったり、かなりの年下だったりすると
なかなか本音を話してくれないこともあります。



「何か悩みはありますか?」
そう聞いても、



「別にありません」
こう返されて、面談終了・・・
そんな経験、あなたにもありませんか?
もしかしたら、あなたは
「話し方」にばかり気を取られているのかもしれません。
もちろん、話し方も大切です。
でも、本当に大切なのは、
「聴き方」なんです。
今回は、私が日々の面談で実践している、本音を引き出すためのとっておきの「聴き方」と「話し方」のコツを余すところなくお伝えします。
これを読めば、あなたの面談スキルは格段に向上し、スタッフとの信頼関係も深まること間違いなし。
ぜひ、最後までお付き合いください。
なぜ、面談で本音を引き出すことが重要なのか?
そもそも、なぜ面談でスタッフの本音を引き出すことが重要なのでしょうか?
それは、スタッフが抱える問題や不満を早期に発見し、解決に繋げることができるからです。
問題が深刻化する前に対応することで、彼女たちの個性や強みを理解し、適切な役割分担やキャリアプランの提案に繋げることも可能です。
傾聴力こそ、本音を引き出すための最強の武器
面談で本音を引き出すために、最も重要なのは、
傾聴力です。
傾聴とは、相手の話を注意深く聞き、共感する姿勢を示すことです。
「そんなこと、わかってるよ」
そう思うあなたは危険信号です。
わかっているつもりでも、実際にはできていないことが多いのです。
例えば、
- 相手の目を見て話を聞いているか?
- 話の途中で口を挟んでいないか?
- 相手の言葉だけでなく、表情や仕草にも気を配っているか?
- 相手の発言に対して、適切な質問や相槌を返しているか?
このようなことを意識するだけでも、相手に
「この人は、私の話をちゃんと聞いてくれている」
という安心感を与えることができます。


傾聴力を高めるための具体的な方法
傾聴力を高めるためには、具体的な方法を意識する必要があります。
1. 相手のペースに合わせて話を聞く
早口の人には早口で、ゆっくり話す人にはゆっくりとしたペースで対応しましょう。
2. 相手の言葉を繰り返す
相手の言葉を繰り返すことで、「私はあなたのことを理解していますよ」というメッセージを伝えることができます。これはオウム返しとも言われるテクニックです。
例えば「心配で、心配で、たまらないんです」ということを言われたら
「心配で、心配で、たまらないんですね」とそのまま返す技法です。
はじめは、そのまま返すなんて、なんか変なふうに思われないかな?と不安になりましたが、
逆に、私の話をオウム返しされた時に、「そう、そうなんです!」と、とても共感された気持ち
になりました。それからは、私も意識して活用しています。
3. 質問はクローズドクエスチョンではなく、オープンクエスチョンで
「はい」か「いいえ」で答えられる質問ではなく、「どう思いますか?」「なぜそう思うのですか?」
といったオープンクエスチョンで質問しましょう。
この「質問する」という技法も、非常に効果的です。
質問で掘り下げられると、自分の考えていることが整理されます。
「その時、どう思いましたか?」
「なぜ、嬉しかったのですか?」
「何が心に残っていますか?」
「どんな気持ちになりましたか?」
など、どんどん投げかけてみましょう。
4. 相手の感情に寄り添う
相手の感情に共感し、「つらいですね」「大変でしたね」といった言葉を伝えましょう。
5. 沈黙も大切にする
相手が話に詰まったり、考え込んでいる時は、無理に言葉を促す必要はありません。沈黙も相手に
とっては必要な時間です。
私は沈黙に耐えきれず、つい自分から話して沈黙を破ってしまう傾向があります。
「待つこと」を心がけたいなと思います。
話し方も重要! 本音を引き出すためのテクニック
もちろん、話し方も大切です。
以下の点を意識することで、よりスムーズなコミュニケションを図ることができます。
・言葉使いは丁寧に
誰に対しても丁寧な言葉遣いを心がけましょう。特に、年下や経験の浅いスタッフに対しては
上から目線にならないように注意が必要です。
私はスタッフへ敬語を使うことが苦手でして、年上のスタッフにも「〇〇さんも、こう思う?」
など、良く言えばフレンドリーな口調になってしまうので、気をつけなきゃと思っています。
・専門用語は避ける
相手が理解できない専門用語は避け、わかりやすい言葉で話しましょう。
・具体的に話す
抽象的な話ではなく、具体的なエピソードや事例を交えて話すことで、相手に伝わりやすくなります。
エピソードは相手の話を聞く時にも、活用できます。相手に「具体的なエピソードを教えて」と
尋ねてみると、相手の言いたかったことが具体的にわかるようになります。
・笑顔を心がける
笑顔は、相手に安心感を与え、打ち解けやすい雰囲気を作ります。
・感謝の気持ちを伝える
面談の最後には、「今日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えましょう。
・本質を見抜く力も必要
面談では、相手の言葉の表面だけではなく、その奥にある本質を見抜く力も必要です。
例えば、
「仕事が忙しくて大変です」
という言葉の裏には、
「人手が足りなくて困っている」
「残業続きで体が辛い」
「このままではミスをしてしまいそうで不安」
といった様々な感情が隠されている可能性があります。
相手の言葉を鵜呑みにするのではなく、
「なぜ、そう思うのか?」「具体的に何に困っているのか?」
など、深掘りした質問をすることで、本質に迫ることができます。
共感力は、信頼関係を築く上で不可欠な要素
共感力とは、相手の気持ちに寄り添い、理解する力のことです。
共感力は、信頼関係を築く上で不可欠な要素です。
相手の気持ちに共感することで、
「この人は、私のことを理解してくれる」
という安心感を与えることができます。
共感力を高めるためには、
- 相手の立場に立って考える
- 相手の感情に気を配る
- 自分の経験を照らし合わせ考える
などの方法が有効です。


まとめ | 面談はスタッフとの信頼関係を深めるための大切な機会
面談は、スタッフとの信頼関係を深めるための大切な機会です。
今回お伝えした
- 傾聴力
- 話し方
- 本質を見抜く力
- 共感力
を意識することで、より効果的な面談を実現することができます。
ぜひ、あなたの職場で実践してみてください。